手紙

「ご自愛ください」という言葉をよく聞きます。

 

(寒さや忙しさなど何かしらの不安要素があるので、)負けないようにお体を大事にされてくださいね」という意味ですが、これにも状況に応じて様々な言い方があります。

 

今回はこの「ご自愛ください」について、以下の項目ごとに見ていってみます。

  1. ビジネスでの言い方
  2. それに対する返信の例文
  3. 英語での言い方
  4. 状況に応じた別の言い方

 

「ご自愛ください」のルール

「ご自愛ください」にも、言ってよい時と、言ってはいけない状況があります。

 

言ってよい時はこんな時です。

「ご自愛ください」を言ってよいとき/言えるとき
・相手の健康を気遣うとき
・相手が目上でも目下でもok

「ご自愛ください」は、相手が目上でも目下でも関係なく使えますが、どちらかというとビジネス上で目上の人に対して使われることのほうが多いです。

 

また、これを使えば相手にも最低限、マナーのできている人だと認識してもらえるので、積極的に使っていくことをお勧めします。

 

言ってはいけない時
・相手がすでに病気に罹っているとき
・「お体にご自愛ください」は二重表現なのでバツ
・「ご慈愛ください」は同音異義語なのでバツ
・「ご慈愛してくださいませ」はまちがい敬語なのでバツ

「ご自愛ください」は、健康な相手に対していう言葉です。

 

なのですでに体調を崩している人やけがをしている人に言うと、「今更遅い」となってしまい失礼に当たります。
相手の状態に合わせて言うかどうか判断しましょう。

 

また、「自愛」はこれだけで「身体を大切にする」という意味を持っています。

 

なので「お体に」をつけてしまうと、「激しく激怒する」や「後ろへバックする」、「必ず必要」などのように二重表現となってしまい、恥をかいてしまいます。

 

 

「慈愛」は自分への深い愛情を意味する同音異義語です。

 

なのでこの字を使ってしまうと、「(寒くなってきたし)私を大切にしてくださいね」という意味になってしまい、相手によっては笑ってすましてくれない場合があるので注意が必要です。

 

書くときもタイピングをするときも、「自愛」と「慈愛」を間違えて使っていないか確認してから送るようにしましょう。

 

また、「ご自愛くださいませ」はいいのですが、丁寧にしようとしすぎて「ご自愛してくださいませ」となってしまうことがたまにあります。

 

これはまちがい敬語なので使わないようにしましょう。

 

ビジネスでの言い方は?

ビジネス現場

前述のとおり、「ご自愛ください」には、「不安要素がありますが負けないようにお体を大事にされてください」という意味があります。

 

そしてその不安要素は、主に以下のとおりです。

  1. 寒暖など季節によるもの
  2. 忙しさ

 

なので、「ご自愛くださいの前には」「時節柄」や「時候」を表す言葉をくわえるのが大原則です。

こんな例があります。(「ご自愛ください」は省略)

・暑く(寒く)なってまいりましたので、
・季節の変わり目ですので、
・ご多忙の折ではございますが、
・残暑厳しい時期柄、
・酷暑(酷寒)の折、
・天候不順の折、
・お忙しいかと存じますが、

 

ほかにもたくさんあるのでそれについては、以下の見出し「状況ごとの別の言い方」でご紹介しています。

 

 

また、「ご自愛ください」にもまた別の言い方がありますのでそれについてもみていってみましょう。

 

「ご自愛ください」を少し変える

基本形は、

  • 「~~~なので、ご自愛ください」

です。

 

しかしそれだけだと味気ないし少し不十分かなという場合、以下のようにします。

  • 「~~~、くれぐれもご自愛ください」

相手が体調を崩しそうなくらい不安要素が大きい場合、「くれぐれも」をつけることで、こちらの気遣いを最大限に伝えることができます。

 

 

そこまで不安要素が大きいわけではないものの、何か付け加えたいなというときは、こんな感じです。

  • 「~~~、どうぞご自愛ください」

 

 

相手がVIP待遇を必要とする人や特別なお客様である場合、超級の表現方法がこれです。

  • 「~~~、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます」

「ご自愛ください」だけでいいのですが、「ください」が命令形のように思えて気が引けてしまう場合はこのように最大級にへりくだった表現でも間違いではありません。

 

ただし、普通の相手に対してこの表現を使うと、無駄に重苦しくなってしまいます。

なのでテンプレートとして使い回すのは避けた方が賢明でしょう。

 

 

返信の例文

気遣いへの感謝の気持ち+相手を気遣いかえす表現=返信のテンプレート」

です。

 

例文を挙げます。

・お気遣い心から感謝いたします。
○○様も健康にはくれぐれもご留意ください。
_
・暖かいお心遣いに感謝申し上げます。
○○様もどうぞお身体おいといください。
_
・お気遣いいただきまして誠にありがとうございます。
○○様もお元気に過ごされるようお祈り申し上げます。

 

基本的に返信はこの型で書かれます。

 

あとは、相手から先に届いたメッセージや相手との関係性に応じて表現は変えていきましょう。

 

英語での言い方

英語話者

英語で最も使われる言い方は、“Please take care of yourself”です。

 

もしこれにもっと丁寧さを付け加えたいという場合、”Please take good care of yourself”です。

日本語でいう「どうぞ」や「何卒」がついたようなものと考えてokです。

 

また、ほぼ同じニュアンスの言葉に“Please look after yourself”という言い方もあります。

 

以上が、ビジネスメールで使われる例文の代表格です。

相手が目上でも目下でも関係なく使えるので、覚えていて損はないでしょう。

 

ただし、ビジネス英語では「相手を気遣う言葉使い」より、もっと普遍的に使われる言葉があります。

リンク先でご紹介していますが、ビジネスではこちらを使った方が無難でしょう。

寒くなってきた時の挨拶とは?ビジネスでの結びの言葉や英語も。

 

 

また、他にもいろいろな言い方があります。

 

「いつまでもお元気で」という丁寧なニュアンスの結び

“May you keep in good health”です。

 

あまり見慣れない文法かもしれませんが、“May”が文頭にくると「~~ですように」という祈りの意味になります。

 

ほかにもこんな例文があります。

 

  • “May you be very happy!”(ご多幸をお祈りします)
  • “May the new year bring you happiness.”(新年もよいお年でありますように)
  • “I wish you a happy new year.”(同上)
  • “May both the bride and groom have long and happy lives!”(花嫁、花婿のお二人とも末永くお幸せに過ごしますように)
  • “May god bless you!”(神のご加護がありますように)

 

4つ目の例文に関しては、手紙(メール)を送る相手が新婚さんである場合、”both the bride and groom”のところを”both of you”にすればokです。

 

ほかの例文に関しても、よく使われるテンプレートです。

 

親しい相手に対するカジュアルな言い方

“Take care”は、親しい相手に対して文末におく別れの言葉です。

 

ビジネスに使うにはすこし軽すぎるので省略しない方がいいですが、親しい間柄の人であれば頻繁に使われる結びの挨拶なので覚えておいて損はありません。

 

また、”Mind yourself”も似たような意味になります。

日本語に直すと「じゃあね気を付けて」のような軽いニュアンスになります。

これは”Be careful!”でもいいです。

 

ただしこの二つは、なにか注意すべき様な状況に陥る時に使うので、毎回この言葉で締めくくる必要はありません。

 

相手がこれから何かに挑戦するとき

試験や就活、その他家庭の事情などで相手が苦難に陥る時があります。

 

そういった時、相手が親しい場合ときは”Good luck!”がよく使われます。

 

また、親しい相手と一緒に同じ苦難に立ち向かうときは、こんなのでもいいです。

“We’ll get through this together”(一緒に頑張ろう)

 

相手が既に体調を崩していたりケガしているとき

前述のとおり、日本語の「ご自愛ください」は、すでに体調を崩していたりケガをしている相手に言うとマナー違反となります。

 

その場合は「お大事になさってください」や「一日も早い回復をお祈りしています」などが適切ですが、英語では以下のような言葉使いが一般的です。

 

“Take care of that cold”(風邪)お大事にされてください。

 

“cold”のところは、”injury”(ケガ)、”leg”(足)、”arm”(腕)、”backache”(腰痛)など、異常のある部位に変えることができます。

 

いずれもカジュアルな言い方なので、やはり親しい間柄の人に送るのが普通です。

 

 

ほかにも、“Get well”や”Bless you!”なども、「早く良くなってください」という意味です。

 

 

上でご紹介した”We’ll get through this together”(一緒に頑張ろう)も、病人に対して使うことができます。

 

自分は五体満足だったとしても、相手が家族だったり親戚だったり、恋人だったりして、一緒に苦難を乗り越えていく人である場合は使えます。

ただし、わざわざ風邪程度の相手に使うほどの言葉ではありません。

 

「お手伝いできることがあったら教えてください」という気遣いの言い方

“Let me know if there is anything I can do to help”です。

 

これも、”We’ll get through this together”(一緒に頑張ろう)と同じで、相手とのかかわりが深く、苦難の度合いが高い場合に使う言葉です。

 

なのでビジネス文書ではあまり拝む機会はない言い方でしょう。

 

状況ごとの別の言い方は?

ほかにもいろいろな言い方があります。

 

まず、「ご自愛ください」の別の言い方について見てましょう。

  • 「お体お気をつけください」
  • 「お体お大事にされてください」
  • 「おいたわりください」
  • 「おいといください」
  • 「ご健康(ご健勝)をお祈り申し上げます」

 

「おいたわりください」と「おいといください」はほぼ同じような意味の言い方です。

自分より目上の人に対しての言葉遣いで、相手の健康をより深く祈る気持ちが伝わります。

 

 

「ご健康」と「ご健勝」にも、大きな違いはありません。

相手の健康を気遣う、よく使われる言い方です。

 

 

 

では、状況に応じた「ご自愛ください」の別の言い方を見ていってみましょう。

 

ビジネス会話/電話

こういった時、電話先の相手に「ご自愛ください」というとあまりにへりくだりすぎた(あらたまりすぎた)言い方になってしまいます。

 

使ってはいけないわけではありませんが、どうにも「ご自愛ください」が言い辛いという場合、以下のような言い方に変えることができます。

 

  • お大事にどうぞ
  • お大事になさってください
  • お体に気を付けてお過ごしください

 

寒中見舞い

寒中見舞いを出すのは1月8日から節分までとされています。

投函は1月末までを目安にし、節分以降に届いてしまわないようにします。

 

「ご自愛ください」の前につける例文です。(「ご自愛ください」は省略)

  • 「世間ではインフルエンザが猛威を振るっております」
  • 「お風邪など召しませぬよう、」
  • 「厳寒の折から、」
  • 「本格的な寒さを迎える折、」

 

お見舞い

相手が病気に罹っていたり、けがをしているときは、「ご自愛ください」は使ってはいけません。

 

なので「一日も早いご回復をお祈りしています」や、「この機にどうぞご養生ください」、「ゆっくりご静養ください」などを使います。

 

ニュアンスによってどんな言い方にするかを決めますが、以下にビジネス相手に対しても使える例文を載せます。

  • 「入院されているとうかがいました。心からお見舞い申し上げます」
  • 「一日も早く全快されますようお祈り申し上げます」
  • 「どうかご療養に専念されますようお願い申し上げます」
  • 「何かできることがあればご遠慮なくお申し付けください」
  • 「お加減のほどいかがでしょうか。一日も早く元気なお姿を拝見できることを祈っております」

 

基本的に、お見舞いメールやお見舞いの手紙ではそれ以外のことは書いてはいけません。

 

冗長になりすぎても相手に負担なので、労わっている姿勢だけをつたえるようにしましょう。

 

雪・大雪・真冬

積雪

近年、平成26年豪雪など、異常気象が叫ばれることが増えてきています。

 

なので大雪に関しても、相手へ思いやりを伝えるための季語として使っておかしくはありません。

 

「ご自愛ください」は省略し、その前につける例文をご紹介します。

  • 「厳寒の折、風邪など召されませぬよう」
  • 「雪の舞うこの頃、」
  • 「近年まれにみる大雪ですが、」
  • 「真冬の厳しい寒さが続く今日この頃ですが、」
  • 「暖冬とは申しますが、」
  • 「寒さひとしお厳しき折、」

 

 

年賀状

年賀状の場合、「ご自愛ください」ではなく別の言い方を使った方が書きやすくもあります。

  • 「皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」
  • 「本年も何とぞよろしくお願い申し上げます」
  • 「どうぞご自愛の上、より一層のご活躍のほどを期待しております」(親しい人へ)
  • 「本年も、なにとぞよろしくお願い申し上げます」
  • 「本年も昨年同様、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」

 

 

暑中見舞い

 

ここでも、「ご自愛ください」は省略してご紹介します。

  • 「炎暑の折、皆様方のご自愛のほどお祈り申し上げます」
  • 「猛暑が続く毎日ではございますが、」
  • 「まだ当分は暑さが続くことと存じますので、」

 

また最初の例のように、「ご自愛ください」を文末ではなく文中に持ってきても自然な文になります。

相手によって使い分けるといいでしょう。

 

災害

災害時は、「災害見舞状」というものを書くことがあります。

 

ただしこの時も、「ご自愛ください」はすでに災害が起こってしまっているあとなので、相手がケガをしたり家族や財産を失ったりしている場合は使ってはいけません。

 

また、災害時には「また」、「重ねて」、「迷う」、「追って」、「再び」などの言葉は忌み言葉とされています。

 

絶対に文中で使うことのないようにしましょう。

 

  • 「一日も早く平穏な生活に戻られることを心からお祈りいたします」
  • 「一日も早く元の生活に戻れるようお祈りしています」
  • 「何かお役に立てることがあれば何なりとおっしゃって下さい」

 

くわえて、お見舞いと同じなので、冒頭に時候の挨拶を付け加えてはいけません。

 

簡潔に、お見舞いの言葉と要件だけを伝えるようにします。

 

暖かくなってきた

春は夏や冬と比べて不安要素が多くないようにも思えますが、こんな例文があります。

  • 「ひと雨ごとに暖かくなってまいりました。 不順な天候が続いておりますゆえ、」
  • 「御地ではまだまだ寒い日が続くと思いますが、」
  • 「新年度に入り忙しい毎日でしょうが、」
  • 「季節の変わり目、」
  • 「 暑い季節に向かいますゆえ、」
  • 「梅雨のはしりのように気まぐれな空の下、」

 

 

まとめ

ビジネスで使うものからプライベートで親しい相手に対して使う言葉、英語やその他の状況に応じた例文を見てきました。

 

 

「ご自愛ください」は健康な人に対して使う言葉です。

そして、こちらから相手の健康を祈る気持ちを伝える便利で優しい言葉です。

 

「ご自愛ください」以外にも別の言い方もたくさんあり、その前につける分にもいろいろな例がありますが、その時の状況や相手との関係性を鑑みて、ベストな言い方で気持ちを伝えていきましょう。

 

 

ではここまでありがとうございました。

寒暖の差が激しい今日この頃ですが、皆様のますますのご健勝とご多幸をお祈りいたします。