東京五輪

2020年に予定されている東京五輪ですが、今年の酷暑をふまえ、国内外から暑さ対策を求められています。

それをふまえ政府や運営委員会はいろいろな案を出しているのですが、今のところこれといったものは出ていませんよね。

 

そんななか、7月27日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が安倍首相と面会し、開催期間にサマータイムを導入することを提案したそうです。

 

それに対し安倍首相はこう返答しています。

なるほどね。それが一つの解決策かもしれないね

 

ではここでいうサマータイムとはどんなものなのか、そして評価のほどはいかがなものか、会社の勤務時間や営業時間への影響はあるのか、アメリカの適用例について調べてみました。

 

では、みだしからどうぞ。

 

 

サマータイムとは何?

時計

サマータイムとはその名のとおり、日照時間が増える夏に実施される制度です。

 

時計を1時間早めることで、1時間早く起床し、1時間早く出社し、1時間早く就業を迎えます。

サマータイムを適用していない時期は就業時間になると外は真っ暗で遊びにも行けない・・・なんてことにもなりますが、サマータイムを実施していればアフターファイブの明るい時間を好きなことに使える。

 

生活のバリエーションが豊富に増えますね♬というものがサマータイムなのです。

 

サマータイムの歴史とは

もともとサマータイムは欧米諸国から輸入された考えです。

 

日本では戦後、石炭不足や電力不足にあえいでいました。

それを受けたGHQは、サマータイムの導入によって生産数を増やすことや、お金の流れを増やすことで経済を回らせることを目的としてこれを導入させます。

 

ブラック企業(当時にはない概念ですが)にいる企業戦士は働ける時間(日照時間)が増えるのでより生産数をあげられるし、そうでない人々も余暇が1時間増えることで遊んでお金を使うから経済を回らせれるだろ!

 

という考えでした。

 

しかし実際問題として、国民にサマータイムの説明をたいしてしなかったことで混乱が生じたり、結果的にやはり労働時間が増えるばかりで生産性が上がらなかったり、古い慣習を壊される人々の反対にあったり、そもそもそんな時代に遊んで金を回せる人は少なかったりなどで、この制度は3年半で終わりを告げます。

 

しかしその後も、平成に入ってから滋賀県や北海道など、一部の地域では試験的にサマータイムが導入されることがありました。

そして現在、ほとんどの都道府県でこれは実施されていませんが、一部のグローバル企業などでは平常的に実施されています。

 

サマータイムで東京五輪中の勤務や営業時間はどうなるか

サマータイム単体だけを実施した場合、労働時間の増大という懸念があります。

実際、働き手不足にあえぐ今の日本ではサマータイムで余暇を楽しむというライフスタイルは無理があるもので、逆にブラック企業や過労死を増やすことになりかねないと言われています。

 

また、実施した場合、ボランティア含む東京五輪の運営スタッフが真夜中から準備に入らなくてはいけなくなり、やはりここでも熱中症や過労死が懸念されています。(日本は夜でも蒸し暑いですよね)

 

サマータイムの労働時間が強制的に制限されればいいのですが、それはないでしょう。

 

 

そんなサマータイムですが、運営関係者たちは企業に2020年だけ夏季休暇を五輪期間に変更するよう要請することを決めました。

 

対象は首都圏内の企業なのですが、これが受け入れられた場合、通常は7月下旬に始まるお盆休みと夏季休暇が8月上旬に移動啜ることになります。

 

これに対して批判や反対の声も多いのですが、これが実施されれば、少なくとも首都圏内の企業に関してだけ言えば東京五輪中に仕事に行く必要がなくなります。

アフターファイブどころか、一日中テレビで東京五輪を見ていることもできるかもしれませんね。

ただし、一部のブラック企業ではサービス休日出勤の懸念がぬぐえません。日照時間が増えたことにより照明がいらなくなれば、オフィス内で仕事をさせても外からはバレにくいですよね。

 

 

 

また、東京五輪中のネットショッピングはどうなるのでしょう?

ネットショッピングをしてしまえばもちろん店の人は働かなくてはいけませんし、配達の人々も仕事に出なくてはいけません。

 

関係者は東京五輪中のネットショッピングを控えたり、店舗側の人たちに営業を控えるよう言っています。

これが受け入れられれば少なくとも流通システムの関係者さんたちはお休みできるかもしれません。

東京五輪中は道路の混雑が予測されるので、たとえ流通会社が営業したとしても円滑にはことは進まないでしょう。であれば営業をしない方がドライバーやCSの方々は嬉しいですよね。

 

 

では地方の会社はどうなるのでしょう?

五輪関係者たちは、必要なものは五輪開始前に調達するよう要請しています。

なのでそうしてしまえば東京五輪中も地方の企業は営業できるところが多く残り、今までと変わらない可能性が高まります。

また、サマータイムの導入によって労働時間が増えることもありえますよね。

 

サマータイムのメリット

ではここでサマータイム実施によってありえるメリットの評価についてまとめてみましょう。

・余暇の充実
・お金が回ることで経済が活性化する
・企業にとっても家庭にとっても照明代が浮く
・サマータイム対応のビジネスがうまくいく
・日が長くなると人の活動レベルは15~20%ほど上がるとされており、心身ともに健康になる
・観光業界の売り上げが増大するという研究結果がある
こうしてみると、一応は個人の健康面についても社会経済の活性化についても、評価はなかなかに良いということがわかります。

サマータイムのデメリット

ではサマータイムに対するデメリットの評価はどのようなものがあるのでしょうか?

・企業にとって時間設定に甚大なコストがかかる
・人の活動時間が増えることで犯罪や事故が増える(減る可能性もある)
・花火などの開催時間も混乱する
・公共交通機関のダイヤや信号機の設定が必要となる
・高齢者は生活リズムが壊れることで健康面で問題になる可能性がある
・日本睡眠学会の声明では、睡眠リズムが崩れることで経済的損失が3兆円以上になる可能性があるとされている

 

などなど、やはりデメリットを考えるとそれなりに厳しい評価がうじゃうじゃしています。

 

ドイツなど一部の国では「五輪を自国で開催しても赤字にしかならないのでもうしない」と公言しているほどで、他の国からも厳しい評価が出ています。

 

東京五輪に関連するサマータイムと営業制限のメリットとデメリット

このようにサマータイムの実施に対する評価を見てきましたが、日本では今回、「東京五輪の開催中だけ」サマータイムを実施することを考えており、また、企業には五輪期間中に夏季休暇を回すよう要請することを決定しています。

 

そうすると、企業や生活者にとっての評価は以下のようになります。

企業にとってのメリットの評価
・照明代を浮かせたうえで社員を過剰労働させられるかもしれない
・サマータイム対応の電化製品の売り上げが伸びるかもしれない
・観光業界は潤うかもしれない

こんなものがあります。

企業にとってのデメリットの評価
・取引先企業との調整が大変になるかもしれない
・社員を働かせているのがバレれば叩かれるかもしれない
・流通関連の企業は関係者の要請に対して対応しなくてはいけない
・結果的にコストだけかかってしまう可能性がある

企業にとっても痛手となる可能性がありますね。

生活者にとってのメリットとなる評価
・アフターファイブを楽しめるかもしれない
・五輪開催中に会社が休みになれば混雑に巻き込まれなくなる
・平日にすいている地方や海外に遊びに行けるかもしれない
・暑い時期に外に出なくてよくなる可能性がある

地方は変わらず営業している可能性があり、そうなれば都会の生活者は平日に地方に避暑がてら遊びに行くこともできますね。

生活者にとってデメリットとなる評価
・休日出勤させられるかもしれない
・結局労働時間は増えるかもしれない
・五輪開催中にネットショッピングができなくなる可能性がある
・お盆の時期をずらすのはいかがなものか
・慣れたダイヤが変更されればいちいち確認しなければならなくなる
・五輪開催前と開催後は激務多忙になる

と、こんな評価があります。
長所もあれば短所もありますが、ネットで見ていれば否定的な評価のほうが圧倒的に多く、今後、運営関係者や政府がどうしていくのかが気になるところですね。

 

サマータイム適用国アメリカの例

日本では普及しなかったサマータイム制度ですが、最後に輸入元である欧米でのサマータイムについて見てみましょう。

 

サマータイムはもともとデイライト・セービング(Daylight Saving Time(DST)と呼ばれており、アメリカやイギリス、オーストラリアなど、約60か国の一部の州のみで実施されています。

 

最近話題になった「水道水の民営化」では世界は民営化ののちに再国営化の流れが主流になっており、今さら民営化をしようとする日本政府には否定的な評価が多く寄せられていました。

 

しかし今回のサマータイム導入に関しては今現在でも世界中で実施と廃止が繰り返されており、一概にどちらが良いかとはいえません。

 

サマータイムはもともとアメリカで建国の父とされるベンジャミン=フランクリンが論文で考案したものでした。

ベンジャミン=フランクリン

 

昼間の電力を節電する方法として論じられており、実際、それを取り上げたおかげでアメリカは昼間の電力消費量を大幅に削減することができました。

 

そしてもう一つのサマータイムの大きな目的として、昼間の移動時間が被ってしまわないようにするということが挙げられます。

(主婦、鉄道利用者、サラリーマンなどが同じ時間に車で移動すれば、混雑は免れませんよね)

 

アメリカはつい最近まで車がステータスという意味でも利便性という意味でも主流だったため、サマータイムが広がっていったのですね。

 

ただしアメリカでは日本と同じで公共交通機関が発達し、路線や業者も増えてきました。

それに加え、若者の車離れも加速していることから、そう遠くない未来、日本のようにサマータイムが合わない国になる可能性もあります。

 

その国によって、サマータイムの良し悪しは変わってくるのですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

日本では東京五輪の開催時期だけ、サマータイムの再導入を検討する可能性があります。

そして、首都圏の各企業には開催期間中を夏季休暇にするよう要請することが決定しています。

 

サマータイムも休日の変更も、評価は良し悪しがありますが、どちらかというと(一般人からは)否定的な評価のほうが多く見受けられました。

 

五輪開催中の混雑を緩和させるのが目的のサマータイムですが、今後、本当に導入が決定するのかどうか、決定した場合に首都圏の企業はもちろん、地方の企業も営業はどうなるのか。

そこらへんが今後、課題になってきそうですね。

 

私たち生活者にとっては、サマータイムの導入によって過剰労働になったりするのはごめんで、余暇が増えるのはウェルカムなはずです。

 

今後の進捗がどうなるのか、続報に期待しておきましょう。