ナマコとは
どうもこんにちは、あきもぐです。
あなたは海水浴やダイビングでナマコを見たことがあるでしょうか。

ナマコとはウニやヒトデと同じ棘皮動物で、世界中の海(だけ)に1500種類以上が存在します。
主に デトリタス を食べる平和的な生き物で、一部のナマコはある程度大きくなるまで母親の体内で育ちます。
攻撃手段はほとんどなく、またでっぷりと太った体形や鈍重な動きは、まさに海のナマケモノといった感じではないでしょうか。
しかし陸上のナマケモノが樹に張り付いて眠ることで擬態して身を守るのと同様に、ナマコも独自の防衛システムを構築しました。
今回はその防衛システムを見ていきましょう!
ナマコの身の守り方 小骨、内臓、粘液
3つ目の防衛システムのこともあるので触って確認することは全く勧めないのですが、ナマコの体の中には堅牢な小骨がいくつも散らばっています。
普段は柔らかいナマコも、捕食者の気配を察知するとその小骨で体の表面を固くしてしまうのですね。
これによって、やわな捕食者は歯が立たなくなってしまうのであきらめて去ることになります。
しかしなかにはその程度では諦めない魚もいます。
こういった諦めの悪い魚に対して、ナマコは第二の防衛システムとして自分の内臓を発射します。
トカゲが自分のしっぽを差し出して逃げるのと同様に、ナマコも内臓を差し出して許しを乞うのですね。
しかしその内臓にはたまに死ぬほどではなくとも毒があります。
喜んで内臓を口にした魚はナマコに苦手意識を持つことになり、もう見かけても寄ってこようとはしなくなります。
ただ、中には内臓などには目もくれず、ナマコの体全体を食べようとして襲ってくる魚などがいます。
そういった外敵に対して、ナマコは最後にして最強の防衛システムを発射します。
キュビエ管という、ものすごい粘着性の高い物質をお尻から吐き出すのですね。
えら、または直腸が発達してできたこのキュビエ管は、小魚やカニの動きを完全に封じてしまうほどの粘着力を誇ります。
外敵が動けなくなっている間に、ナマコは逃げるのですね。
私も高校の修学旅行のときにシュノーケリングのガイドにナマコを手に持たされ、キュビエ管をもろに食らうということがありました。
いくら海水や水に当てても流れていきませんし、砂利でこすっても同じです。
納豆のように粘りが全身に広がっていくような感じなので、本当にこれだけは出させないでください。
あとになって、キュビエ管を喰らった場合は乾燥させれば簡単に取れるということを知ったのですが、当時はそんなことは知る由もなく、ガイドに心の中で怨嗟の声をぶつけていました。
こんなキュビエ管なので、常に海中にいる小魚やカニがやられた場合、非常に厄介なことになります。
彼らはキュビエ管のせいで身動きが取れない間に、今度は自分が無防備な非捕食者になってしまうのですね。
されどナマコは食べられる
こんな、小魚などに対しては過剰防衛とも思える防衛システムを有したナマコですが、もちろん敵は小魚ばかりではないので、アカエイなどの大きな敵に対しては完全なカモとなってしまいます。
また、ミクロネシアなどナマコを食用加工する文化がある地域では、ナマコを一抱えほど持ってきてバケツに張った水の中に入れます。
日中は40度近くにまで達する灼熱の水中環境で、ナマコたちは必死に内臓やキュビエ管を出しますが、効果はありません。
こうして、自分たちで体の中をきれいにしてくれたナマコは、作業員の手で加工されスープにされるのですね。
ちなみにキュビエ管や内臓の再生には1か月から、長いと3か月ほどかかるので、その間は無防備となってしまいます。見つけても、なるべく出させるような刺激は与えないであげるとよいでしょう♬