(未放送部分までネタバレしていくのでご注意ください)
バルブロ第1王子とは
バルブロはリ・エスティーゼ王国のランポッサ3世の長男で、ザナック第2王子とラナー王女の兄でもあります。
しかし特に二人に対して愛情は持っておらず、ザナックに対しては王の座をめぐった政敵として嫌悪しています。
バルブロは八本指と繋がっており、汚い金を受け取っていましたが、それをザナックに衝かれ不利になります。
また、ヤルダバオトが王都をゲヘナの炎で囲った際に、彼は城に籠っていたのに対しザナックは炎の中に入っていったことから、バルブロの評判は失墜し代わりにザナックの株が上がります。
バルブロが城に籠っていたのは自分で動かせる戦力がないためで、ザナックも結局はレエブン侯の戦力を借りただけで、安全そうなところしか見回っていません。
それをわかっているバルブロは弟の賢さに苛立ちますが、知らない人からすれば彼は臆病者です。
貴族たちからの株も下がり、彼は武勲を立てるのに必死になるのでした。
王がバルブロ第1王子にカルネ村に行けと命令した理由
バルブロはこの命令を下されて愕然とします。
こんななんの価値もない辺鄙な村に行くよりは、アインズ・ウール・ゴウンなる魔法詠唱者がいる戦場に赴いて武勲を立てたほうが絶対にいい。
それを考えれば考えるほど、バルブロは王がザナックに王位を明け渡すつもりなのではないかと考えそれを憎み心の中で罵倒します。
しかしこれは大きな勘違いでした。
王は、信頼する戦士長「ガゼフ・ストロノーフ」から、アインズ・ウール・ゴウンなる魔法詠唱者が強大で、勝ち目はないということを聞かされています。
そんな戦場に対して戦えもしない王子を連れていけばどうなるか。
王はそれを考え、わざとバルブロに安全そうなカルネ村へ行くように命令をしたのでした。
しかし結局、バルブロは愚かさのつけを支払うこととなってしまいます。
バルブロのカルネ村への攻撃
「アインズ・ウール・ゴウンの情報を探ってくる」という名目で彼はカルネ村へ協力関係にある貴族の兵を率いていきますが、頭の中ではいかに戦争で武勲をあげるかしか考えていません。
さっさとエンリたちから聞くことを聞いて、なんならアインズに対する人質として使おうとし、自分の賢さにほれぼれとします。
しかしエンリたちは、突然やってきた騎士たちにあの日のことを思い出し躊躇します。
また、村にはゴブリンやオーガもいるので、それを見られればただではすまないという確信もありました。
なのでせめて彼らが隠れるまで時間稼ぎをしようとしますが、しびれを切らしたバルブロが部下に命じて火矢を射かけます。
これで村人たちの怒りは爆発しました。
かつて、村が騎士たちに襲われた時に貴族たちは何もしてくれなかった。なのに今更やってきて、王国の民ならば義務を果たしてアインズの情報をよこせと言い、火矢まで使う。
「村を救ってくれた」アインズ・ウール・ゴウンに報いるため、彼らは徹底抗戦を決意し、オーガやゴブリンたちも混ざって戦います。
エンリのもう一つの角笛
1期から今までエンリを(ついでに村を)助けてきたのは、カルネ村が救われてからすぐに吹いた角笛から出てきたゴブリンたちでした。
しかし、エンリはもう一つ角笛をもらっていました。
「小鬼将軍の角笛」
エンリたちは村人と自警団に戦闘を任せ、自分たちはいち早く村から脱出します。
しかしその道中で、待ち伏せていた騎士たちに追いかけられてしまい絶体絶命となります。
そして笛を吹くのでした。
最初のゴブリンたちを召喚した時の音は、プーというお粗末な音色でした。
しかし今回の角笛は地を揺らすような重低音です。
それに困惑しつつもエンリが後ろを向くと、召喚されたゴブリン集団がいるのでした。
バルブロの最期
当初、エンリは新しく召還するゴブリンたちも、先に召喚したジュゲムたちと同じくらいのレベルで多勢に無勢は変わらないだろうと覚悟をしていました。
しかしそれが違ったことが判明します。
ゴブリン軍団は兵装に身を包み、どれもこれもがつわものと分かるだけの装いです。
これを理解したバルブロの部下は撤退を促しますが、「ゴブリンごときに尻尾を撒いて逃げた腰抜け」という評価を恐れたバルブロは無理やり戦わせようとします。
しかし結局部下たちは倒されていき、バルブロの目の前までゴブリンが肉迫してきたことで撤退以外になくなり、悔しさに支配されつつも敗走します。
そしてその後、状況の打開策が思い浮かばず悔しすぎて眠ることができないバルブロに、突如として絶世の美女が語りかけてきます。
アインズにしっかりと報連相をし、「皆殺しにして来い」と命令を受けたルプスレギナが、図書館から30体ものゴブリンを引き連れてやってきたのです。
レベルは43。アダマンタイト級よりはるかに強いゴブリンたちに、バルブロの部下は誰一人逃げられず殺されていきます。
そしてバルブロも、ルプスレギナに自身を身代金に使うつもりがないことを知って青ざめます。
その後、抵抗の甲斐なく、ひたすらに回復と拷問を繰り返されて死ぬのでした。
そして戦争ののち、バルブロも部下も誰一人として帰ってこないことから、捜索隊として冒険者が派遣されますが全て徒労に終わります。
懐刀のガゼフと愚かではあるものの実の子であるバルブロを同時に失ったランポッサ3世は、同様に包まれ悲愴にくれるのでした。