ゴマモンガラ

漁師やダイバーなど、海と関わる人がサメやバラクーダよりも恐れると言われることがあるゴマモンガラ。

 

今回はゴマモンガラがそういわれるようになった理由である食性と性格や、産卵期の超攻撃的な行動について見ていきたいと思います。

 

また、少し無敵の悪魔のような言われっぷりのゴマモンガラですが、これを屠れるような天敵はいるのか、そこについてもみていきます。

 

ではでは、どうぞ♪

 

ゴマモンガラの産卵期の危険性とは?

ゴマモンガラは毎年6月から長くても9月の、海水温が温かくなる時に産卵します

 

人間からしてみれば何もしないので勝手に産んで勝手に育ってくださいといいたいところですが、彼らは少し過剰防衛気味なところがあり、人間にも襲ってきます。

 

しかもよろしくないことに、ゴマモンガラは砂地にすり鉢状の巣を作りそこで産卵するため、現地を潜り慣れているベテランダイバーさんなどでないかぎりなかなか巣を発見しづらく、いつの間にか魔巣に侵入してしまっていることがあるそうです。

 

そしてそのテリトリーですが、少しおもしろい作られ方をしています。

 

産卵場所を中心としてドーム型に作られており、縦に伸びています。

そして産卵前のテリトリーは半径15mで、

産卵後は半径2~3mだそうです。

 

15mと3mとではぜんぜん違いますよね。

 

これが、産卵前のゴマモンガラが一番危険といわれている理由の一つでもあります。

産卵後と比べて哨戒範囲が広すぎるため、人間もやはり気付かずに入ってしまいます。

 

 

そうするとウニやサンゴをかみ砕く強靭な歯でメスが猛突進してきます。

人間の場合は妊娠中の女性は絶対安静ですが、ゴマモンガラはなんと血気盛んなことでしょう。

まさに鬼ババアなモンスターピアレントとなり、巣に近づくものは容赦なく襲ってきます。

 

もし襲われたら、上に逃げてもテリトリーがドーム状になっていて無意味なので、ゴマモンガラの突進をフィンなどで躱しつつ、横方向に一直線に逃げましょう。

テリトリーから出るとすんなりと攻撃をやめてくれることもあります。

 

ちなみにオスは巣を守っているので基本的に人を襲ってくるのはメスです。

ほとんどをメスが追い払うので、オスの立場がないようにも感じられますね。

 

 

またまたちなみになのですが、ダイバーは、水中ではフィンも履いているため、魚からしてもかなり大きく見えます。

 

しかもレギュレータでぶくぶく泡を吐いているため、基本的に魚は気味悪がります。

 

これが海水浴客と比べてダイバーがサメに襲われにくい理由ですが、そんなのもお構いなしに襲ってくるゴマモンガラは、やはり名実ともに最恐の魚だと思います。

 

襲撃事例

  • 餌付けをしていたらエサと一緒に指を持っていかれた
  • 遠くから突進してきてマスクにひびが入った
  • 突進をもろに喰らっておでこにあざができた
  • 一眼レフのレンズにひびが入った
  • いつの間にかテリトリーに入っていて耳を食いちぎられた
  • フィンに歯型を残された
  • ウェットスーツやドライスーツに穴をあけられた
  • 縫わなければいけないくらいの外傷を負わされた
  • 50m以上追いかけられた

 

などなど、ゴマモンガラの暴挙には枚挙にいとまがありません。

 

特に最後の「50m以上追いかけられた」というのは壮絶ですが、これは縦や横にジグザクに逃げてしまった結果、テリトリーから出られず追いかけ回された可能性が高いです。

 

テリトリーから出れば100%許してもらえるわけではありませんが、もし追いかけられたら、とにかく逃げ回り、素直にエキジットしたほうがよさそうです。

 

産卵期以外の性格は?

そんな危険性ばかり取りざたされるゴマモンガラですが、通年で気が立っているわけではなく、産卵期以外はある程度落ち着きも見せるようです。

 

たとえば名前を見てみると、ゴマモンガラの学名は“balistoides-viridescens”です。

 

“balistoides”は「モンガラカワハギ属」という意味で、”viridescens”はグリーンという意味です。

モンガラカワハギ族の緑色の魚」という意味で、至極普通な名前ですよね♪

 

決して、「通年で暴れまわっているクソ魚」という意味ではありません。

 

ここは、同じくサンゴを食い荒らす存在として目の敵にされているオニヒトデの”Acanthaster planci”(鬼海星、鬼人手)という学名と比べたら優しさがあるほうではないでしょうか(笑)

オニヒトデ

 

 

 

また、暦では産卵のシーズンに入っていたとしても大人しい性格を見せることがあるようです。

 

ゴマモンガラは温かい海に生まれ、温かい海で生活します。

 

なので親が卵を産むのも暖かい時に限定され、ラインは水温28度以上なのだそうです。

 

つまり28度以下であれば卵を産もうとはせず、いくぶん大人しくなり、

逆に28度以上であれば卵を産む態勢になり、テリトリーに入ってくる外敵に異常なまでの攻撃性を示すのだそうです。

 

それだけ、わが子を守ろうとする母親は強いということですが、たまたまテリトリーに入ってしまって襲われるダイバーや海水浴客としては恐怖の瞬間です。

 

ゴマモンガラが生息する海域に入る際は、季節と、水温をチェックしておいた方がよさそうですね♬

 

 

 

 

ただし、基本的にゴマモンガラは仲間とすら協調性があまりなく、攻撃的な性格をしているということに変わりはありません。

 

産卵期以外であれば、彼らのテリトリーに少しだけ侵入してしまってもいきなり遠くから突進してくるということは少なくなります。

 

しかしゴマモンガラの存在に気付かずに近づきすぎたり、シーズンオフだからと舐めて餌付けをしようとすれば指を持っていかれることもあります。

 

産卵期と比べたら少しは大人しくなるものの、基本的に危険。であると心しておいた方がよさそうですね♬

 

 

無茶苦茶な食性

なんとなく、ゴマモンガラは海のゾンビだと思います。

ゴマモンガラの歯

ゴマモンガラの歯ですが、まるで人間のようではないでしょうか。

 

特徴的なのはこの二本の前歯ですが、見れば見るほど人間の歯と似ています。

 

ゴマモンガラは雑食性で、この歯でいろいろな生き物を食べます。

  • 小魚
  • 藻類
  • カニやエビなど甲殻類
  • ウニ
  • サンゴ

 

エリア内にいるほとんどの生き物はエサであるとみなしてよく、ウニの鋭い棘も、なんなくこの歯で折って食べてしまいます。

 

また、獲物がサンゴや岩、瓶などの中に隠れれば、この歯で障害物を動かしたり破壊したり、ときには一緒に食べてまで獲物を引きずり出すことがあります。

 

しつこさ、歯、食性など、まさに、バイオハザードやウォーキングデッドに出てくるゾンビそのものではないでしょうか(汗)

 

 

天敵もいる?

今まで見てきたところ「ザ・海のギャング」っぽいゴマモンガラですが、食べられることもあるようです。

 

ゴマモンガラを襲っているこの魚はヤイトハタで、大きくなると1mを超すこともある魚です。

 

主食は甲殻類を主に食べますが、小魚も食べることがあり、今回はゴマモンガラが襲われたということです。

 

砂地に定住し、あまり動き回らずエサを待つタイプのようです。(1m~2mを超える大きなものはレクリエーションダイビングではいけない水深に生息しています)

 

今回はこうしてハタに襲われたゴマモンガラですが、ということは、この個体以外にも別の魚に襲われて食べられるゴマモンガラは多いとみてよさそうです。

 

産卵期に見せる異常なまでの攻撃性も、「被捕食者」である自分たちの立場を分かったうえでの決死の突撃なのでしょう。

 

個人的には、たまにサメを襲って捕食しようとすることもあるウツボなんかには、さすがのゴマモンガラもよく食べられてしまうのではないかと思っています。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

ゴマモンガラはその危険性がよく取り上げられますが、巣はドーム型で縦に伸びています。

 

2~15mほど、横に一直線に逃げれば見えないテリトリーラインから出て許してもらえる可能性もあるので覚えておきましょう。

 

生前に歯のケアを怠っていたゾンビのような汚い歯ですが、顎の力は強く、ウニやサンゴまでもむしゃむしゃと食べてしまいます。

 

しかしそれはゴマモンガラの生態の一つであり、人間に知られないところでは喰いつ喰われつの過酷な生存競争にさらされているようです。

 

温かい海に入る時は、ゴマモンガラに注意し、不注意に刺激しないようにしましょう♪

 

では、ここまでありがとうございました!