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2019~2020年の冬の暖冬予想
2019年から2020年の冬は暖冬になると予想されています。
暖冬になる年は『エルニーニョ現象』が発生していることが多いのですが、今年に関してはこれは発生しておらず、今後も60%の確率で2020年の4月までは通常状態が続くと予想されています。
また、暖冬と対になる『寒冬』を引き起こす『エルニーニョ現象』についても、4月までに発生する確率は20%ほどしかありません。
暖冬とは?ずっと暖かいわけではない
暖冬は、『平年より12月~2月の平均気温が平年より0.5度以上高い』冬のことを意味します。
ではずっと暖かいのかと思えば、しかしそんなことはありません。
現時点では『暖冬』が予想されていますが、これは『北極振動』の活動によってころっと変化する可能性も高いのです。
(注意:画像はオーロラ)
北極振動とは北極で寒気をため込むのと吐き出すのを繰り返す現象です。
寒気をため込んでいる間は影響がありませんが、そのたまった寒気を吐き出し始めると、日本も位置する北半球の中緯度地域におおきな影響を及ぼし、寒波や大雪となります。
これは気象庁であってもタイミングが事前に予想しにくく、警報が間に合わないまま重大な自然災害につながることもあります。(平成18年豪雪)
ただし、ため込みと吐き出しは数週間の周期でなされるということはわかっているので、冬の間に大きかれ小さかれ寒波となるのは確実でしょう。
暖冬は大雪になりやすい。と聞いたことはありますか?
上で『北極振動』についてみましたが、それだけが『暖冬なのに降る大雪』の原因であるとは限りません。
もう一つの原因もあるのでその条件を見てみましょう。
↓
南岸低気圧が発生する
↓
日本に寒気が流れ込み、大雪となる
2014年に起こった、『30年に一度の異常気象』とよばれる豪雪も、この南岸低気圧が原因でした。
2019年から2020年の冬はエルニーニョ現象になる可能性は20%程です。
なので、どちらかというと今年はエルニーニョ現象やラニーニャ現象よりも、気象庁が発表する『北極振動』についての情報にアンテナを張っているほうが現実的だと思います。
雪が多い場所と少ない場所
気象庁による予想では、以下のようになっています。
11月は、日本海側も太平洋側も雪は少なめ。晴れか曇り、雨の日が多い。
12月は、北(東)日本の日本海側は何も降らない日が多い。西日本の日本海側では雨や雪が多め。逆に西日本の太平洋側は晴れの日が多い。
1月は、沖縄と奄美は曇りや雨の日が多い。ほかの地域では全国的に雨や雪は少なく、太平洋側は晴れる日が多い。
スキー場はどうなる?
上で見たように、2019年~2020年の冬は12月しかまとまった雪は期待できないようです。
また、暖冬なので気温が下がるのも期待できない。
こうなると人工降雪機をつかっても雪を維持できず、スキー場は営業日を減らさざるを得なくなります。
どの地域にせよ今年もスキー場の営業日数は短い可能性が高いので、オープンしたら早めに行ってしまったほうがいいでしょう。
暖冬だとこんな悪影響が
- 冬もの商材が売れなくなり、税収が減って還元が減る
- 暖かすぎて羆が冬眠できなくなり、人里にえさを求めて降りてきやすくなる
- 寒暖差が激しいために体調を崩しやすくなる
- 油断してノーマルタイヤのまま越冬しようとして急な雪に立ち往生する
- 雪解け水が少なくなるため、一部の地域で水不足となりやすい(特に災害後)
とくに暖冬だからと油断してノーマルタイヤで越冬しようとすれば、予期せぬ雪に困ることになります。
12月は一年でもっとも交通事故が多い月です。最たる理由は『年末に向けて忙しいから』というものですが、車がスリップしてしまうことによるものも多いのが実情。歩行時も運転時もいつも以上に気を付けましょう。
また、暖かすぎるとヒグマは冬眠に失敗して凶暴性を増しますが、本州にいるツキノワグマに関しても同じことが言えます。
最近では冬でなくても不作によって人食いのツキノワグマが出ることがあるので、生息地に近い所に行く場合は細心の注意を払ったほうがよさそうです。
最後に
2019年から2020年の冬は基本的に暖冬であると予想されています。
しかし一時的な寒波はほぼ確実に来るでしょうし、『北極振動』によって大雪になる可能性もあります。
暖冬だからと甘く見ず、真冬にしっかりと備えて暖かく切り抜けていきたいものですね。